1.脳の構造と働き

●中枢神経系で正しいのはどれか。

 1.大脳の表面は白質と黒質とからなる。

 2.小脳の下端に下垂体が位置する。

 3.脳幹は延髄と脊髄とからなる。

 4.間脳は視床と視床下部とからなる。

 

 

 

●視床下部の機能で正しいのはどれか。2つ選べ。

 1.感覚系上行路の中継核

 2.長期記憶の形成

 3.摂食行動の調節

 4.飲水行動の調節

 5.姿勢の調節

 

 

 

●短期記憶と関係が深いのはどれか。

 1.橋

 2.海馬

 3.脊髄

 4.松果体

 5.視床下部

 

 

 

●小脳機能のフィジカルアセスメントで把握するのはどれか。

 1.痛覚

 2.振動感覚

 3.温度感覚

 4.平衡感覚

 

 

 

●小脳の機能はどれか。2つ選べ。

 1.関節角度の知覚

 2.振動感覚の中継

 3.姿勢反射の調節

 4.随意運動の制御

 5.下行性の疼痛抑制

 

 

 

●姿勢の保持に関与するのはどれか。

 1.橋

 2.小脳

 3.中脳

 4.視床下部

 5.大脳皮質

 

 

 

●立ち直り反射に関与するのはどれか。2つ選べ。

 1.視細胞

 2.コルチ器

 3.圧受容器

 4.化学受容器

 5.頸筋の筋紡錘

 

 

 

●前頭葉の障害に伴う症状で正しいのはどれか。2つ選べ。

 1.人格の変化

 2.感覚性失語

 3.自発性の欠乏

 4.平衡機能障害

 5.左右識別障害

 

 

 

●頭部CTを別に示す。

論理的思考を制御する領域はどれか。

 

 1.A

 2.B

 3.C

 4.D

 5.E

 

 

 

●脳の外側面を左右から見た模式図を示す。

右利きの健常成人のBroca<ブローカ>の運動性言語中枢はどれか。

 

 1.①

 2.②

 3.③

 4.④

 5.⑤

 

 

 

●Broca<ブローカ>失語のある患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

 1.閉じた質問<closed question>を活用する。

 2.大きな声で質問する。

 3.単語で話しかける。

 4.文字盤を用いる。

 

 

 

●伝えたいことがあるにも関わらず、ろれつが回らず正しく発音することが困難になるのはどれか。

 1.喚語困難

 2.構音障害

 3.吃音

 4.錯語

 5.嗄声

  

 

 

●Aさん(80歳、男性)は、脳梗塞の治療のために入院した。Aさんは多弁であり「めがねをとってください」のことを「めとねをとってください」などと話す様子が観察される。

Aさんの症状で正しいのはどれか。

 1.錯語

 2.感情失禁

 3.喚語困難

 4.運動性失語

 

 

 

●Wernicke<ウェルニッケ>失語の特徴で正しいのはどれか。

 1.話す言葉は意味不明である。

 2.他者の言葉の復唱はできる。

 3.他者の言葉の意味は理解できる。

 4.書かれた言葉の意味は理解できる。

 

 

 

●神経伝達物質でカテコールアミンはどれか。

 1.ドパミン

 2.セロトニン

 3.γ-アミノ酪酸

 4.アセチルコリン

 

 

 

●脊髄で正しいのはどれか。

 1.小脳に連なる。

 2.脊柱管内にある。

 3.2層の膜で保護されている。

 4.第10胸椎の高さで終わる。

 

 

 

2.脳卒中

●血栓が存在することによって脳塞栓症を引き起こす可能性があるのはどれか。

 1.右心室

 2.左心房

 3.腎動脈

 4.上大静脈

 5.大腿静脈

 

 

 

●頭蓋内圧亢進の代償期にある患者にみられるバイタルサインの特徴はどれか。

 1.呼吸数の増加

 2.体温の低下

 3.脈圧の増大

 4.頻脈

 

 

 

●頭蓋内圧亢進を助長するのはどれか。

 1.便秘

 2.酸素療法

 3.浸透圧利尿薬

 4.Fowler<ファウラー>位

 

 

 

●脳ヘルニアの症状はどれか。

 1.頻脈

 2.縮瞳

 3.頸静脈の怒張

 4.チェーンストークス呼吸

 

 

 

●54歳の女性。激しい頭痛と嘔吐の後、意識を消失したため搬入された。呼吸数12/分、不規則。脈拍50/分。血圧210/120mmHg。瞳孔不同が見られる。

考えられるのはどれか。

 1.一過性脳虚血

 2.脳ヘルニア

 3.てんかん

 4.片頭痛

 

 

 

●転移性脳腫瘍の患者。脳の冠状断面の模式図を示す。

意識はあるが、図の矢印の方向に圧がかかり始めている。

この時点で最も起こりやすいのはどれか。

 1.頻脈

 2.呼吸異常

 3.右片麻痺

 4.血圧下降

 

 

 

●脳出血で最も頻度の高い出血部位はどれか。

 1.被殻

 2.視床

 3.小脳

 4.脳幹

 

 

 

●65歳の男性。数日前から軽い頭痛があり来院した。若い頃から飲酒の習慣がある。1か月前に酔って転倒し頭を打ったと言う。

高血圧の既往はない。

最も考えられる疾患はどれか。

 1.脳出血

 2.くも膜下出血

 3.急性硬膜外血腫

 4.慢性硬膜下血腫

 

 

 

●頭部CTを示す。

出血部位について正しいのはどれか。

 1.皮下組織

 2.硬膜外腔

 3.くも膜下腔

 4.脳実質内

 5.脳室内

 

 

 

●くも膜下出血の成因で最も多いのはどれか。

 1.外傷

 2.脳腫瘍

 3.脳動脈瘤

 4.脳動静脈奇形

 

 

 

●もやもや病について正しいのはどれか。

 1.脳動静脈の奇形である。

 2.浅側頭動脈の狭窄が原因である。

 3.代償性の側副血行路が形成される。

 4.ポリオウイルスの感染が関与する。

 5.Wilis<ウィリス>動脈輪への血栓閉塞で生じる。

 

 

 

●もやもや病で正しいのはどれか。2つ選べ。

 1.指定難病ではない。

 2.遺伝的要素は関与しない。

 3.病変はくも膜下腔にある。

 4.ウイルス感染によって誘発される。

 

 

 

●転移性脳腫瘍の原発巣で最も多いのはどれか。

 1.胃癌

 2.乳癌

 3.肺癌

 4.大腸癌

 5.子宮頸癌

 

 

 

●髄膜炎の症状はどれか。2つ選べ。

 1.咳嗽

 2.胸痛

 3.嘔吐

 4.下痢

 5.項部硬直

 

 

 

●細菌性髄膜炎の症状はどれか。

 1.羞明

 2.羽ばたき振戦

 3.Raynaud<レイノー>現象

 4.Blumberg<ブルンベルグ>徴候

 

 

 

●急性髄膜炎患者への対応で正しいのはどれか。

 1.鎮痛剤は禁忌である。

 2.頭部に温罨法を行う。

 3.部屋の照明を暗くする。

 4.腰椎穿刺直後は頭部を高くする。

 

 

 

 

●Parkinson<パーキンソン>病の症状で正しいのはどれか。

 1.症状は対称性である。

 2.羽ばたき振戦がみられる。

 3.四肢の筋肉は弛緩する。

 4.動作が緩慢である。

 

 

 

●Parkinson<パーキンソン>病の症状について正しいのはどれか。

 1.満月様顔貌になる。

 2.腕を振らずに歩く。

 3.後ろに反り返って歩く。

 4.頭を左右に大きく振る。

 

 

 

●ミエログラフィ終了後の体位で正しいのはどれか。

 1.1

 2.2

 3.3

 4.4

 

 

 

●髄液検査のための腰椎穿刺を受ける患者への対応で適切なのはどれか。

 1.穿刺時の患者の体位は背すじを伸ばした側臥位にする。

 2.穿刺時は患者に上肢のしびれがないか尋ねる。

 3.検査後は患者の頭痛や吐き気に注意する。

 4.検査後30分が過ぎたら自由に動いてよいと話す。

 

 

 

●成人の骨髄検査の穿刺部位を図に示す。

 1.1

 2.2

 3.3

 4.4

 

 

 

●脊髄造影を受ける患者への説明で正しいのはどれか。

 1.「検査前の食事制限はありません」

 2.「造影剤が硬膜外腔に注入されます」

 3.「検査後は頭痛の有無を確認します」

 4.「検査後はベッドを水平にします」

 

 

 

●疾患と確定診断のために用いられる検査との組み合わせで最も適切なのはどれか。

 1.脳炎ー脳脊髄液検査

 2.パニック障害ー脳波検査

 3.特発性てんかんー頭部MRI

 4.パーソナリティ障害ー頭部CT

 

 

 

●脳血管造影を行う患者の看護について最も適切なのはどれか。

 1.前日に側頭部の剃毛を行う。

 2.検査30分前まで食事摂取が可能である。

 3.検査中は患者に話しかけない。

 4.穿刺部の末梢側の動脈の拍動を確認する。

 

 

 

●検査で得られた画像を示す。

この検査はどれか。

 1.MRI

 2.血管造影

 3.ヘリカルCT

 4.シンチグラフィ

 

 

 

●脳梗塞を最も早期に検出できる画像検査はどれか。

 1.シンチグラフィ

 2.磁気共鳴画像<MRI>

 3.磁気共鳴血管画像<MRA>

 4.コンピュータ断層撮影<CT>

 

 

 

●脳血管造影を行う患者の看護について適切なのはどれか。

 1.前日に頭部の剃毛を行う。

 2.検査中は患者に話しかけない。

 3.穿刺部末梢側の動脈の拍動を確認する。

 4.検査30分前まで食事摂取が可能である。

 

 

 

●開頭術を受けた患者の看護で適切なのはどれか。

 1.頭部を水平に保つ。

 2.緩下薬は禁忌である。

 3.髄膜炎症状の観察を行う。

 4.手術後1週間は絶飲食とする。

 

 

 

●次の文章を読み問題1~3に答えよ。

 

Aさん(59歳、女性)は、午前2時ころにバットで殴られたような激しい頭痛を自覚し、嘔吐した。午前4時、Aさんは、頭痛を我慢できなくなったために、家族に付き添われて救急搬送され、緊急入院した。入院時、ジャパン・コーマ・スケール<JCS>Ⅰ-1、四肢の麻痺を認めない。

 

問題1.Aさんはくも膜下出血と診断された。

再出血を防ぐためのケアで適切なのはどれか。

 1.深呼吸を促す。

 2.起坐位とする。

 3.病室を薄暗くする。

 4.頭部を氷枕で冷やす。

 

 

 

問題2.Aさんは、入院後に緊急開頭術を受けることになった。

手術を受けるまでの看護で適切なのはどれか。

 1.浣腸を行う。

 2.排痰法の練習を勧める。

 3.テタニー徴候を観察する。

 4.不整脈の出現に注意する。

 

 

 

問題3.開頭術後24時間が経過した。JCSⅠ-2。体温37.5℃。脈拍88/分、血圧138/84mmHg。呼吸数18/分、経皮的動脈血酸素飽和度<SPO2>98%(酸素吸入3L/分)。脳室ドレナージが行われている。

Aさんへの看護で適切なのはどれか。

 1.両腋窩を冷やす。

 2.酸素吸入を中止する。

 3.起き上がらないように説明する。

 4.痛み刺激を与えて意識レベルを確認する。

 

 

 

●次の文章を読み問題1~3に答えよ。

 

48歳の男性。職場での会議中にこれまで経験したことのない頭痛におそわれ、頭を抱えるように椅子に座り込んだ。さらに、猛烈な吐き気により嘔吐した。

病院に到着後、CT検査が行われた。

 

問題1.来院時の症状・徴候として出現する可能性があるのはどれか。

 1.耳出血

 2.項部硬直

 3.眼底出血

 4.髄液鼻漏

 

 

 

問題2.検査後、緊急手術が予定され術前準備が開始された。妻が「だいぶ吐いたようですし、夫はきれい好きなので入浴はできませんか」と看護師に尋ねた。

清潔援助の方法で適切なのはどれか。

 1.ベッド上に臥床した全身清拭

 2.ベッドに腰掛けての全身清拭

 3.椅子を使用したシャワー浴

 4.ストレッチャーを使用したリフトバス

 

 

 

問題3.中大脳動脈に動脈瘤がありクリッピング手術が行われたが、患部が深く手術時間が長引いた。術後意識は回復したが、錯語が多くコミュニケーションが成立しなくなった。

この男性の失語症はどれか。

 1.全失語

 2.名称失語(健忘失語)

 3.ブローカ(Broca)失語

 4.ウェルニッケ(Wernicke)失語

 

 

 

●次の文章を読み問題1~3に答えよ。

 

58歳の男性。会社役員。妻と子どもとの3人暮らし。出勤途中の電車内で意識消失し、けいれん発作を起こして搬送された。検査の結果、脳腫瘍の疑いで入院した。

 

問題1.入院後、頭痛と嘔吐があり、頭蓋内圧亢進症状が認められた。

起こりやすいのはどれか。

 1.徐脈

 2.体温低下

 3.血圧低下

 4.呼吸数増加

 

 

 

問題2.精査の結果、神経膠腫と診断された。腫瘍摘出術後、放射線療法が開始された。照射部位周辺の発赤がみられ「頭が痛痒い」と訴えている。

頭部の皮膚のケアで適切なのはどれか。

 1.冷湿布剤を貼用する。

 2.ぬるま湯で洗い流す。

 3.アルコール清拭をする。

 4.ガーゼで保護してテープ固定する。

 

 

 

問題3.半年後、残存腫瘍の増大により意識レベルが低下し、うとうとしていることが多くなった。医師から妻に、余命2,3週と説明された。妻は毎日面会に来ている。看護師に「話しかけても答えないし、何もしてあげられないのがつらい」と涙ぐんで話した。

看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 1.「面会は毎日でなくてもいいですよ」

 2.「そばにいてあげるだけでもいいんですよ」

 3.「お世話はすべて看護師がさせていただきますよ」

 4.「今の状態ではあまり声をかけないほうがいいですね」

 

 

 

●次の文章を読み問題1~3に答えよ。

 

Aさん(70歳、男性)。妻(74歳)と2人で暮らしている。Aさんがトイレに入ったまま戻ってこないので妻が見に行くと、トイレで倒れていた。妻が発見直後に救急車を要請した。救急隊からの情報ではジャパン・コーマ・スケール<JCS>Ⅱ-20で右片麻痺があり、バイタルサインは、体温36.5℃、呼吸数16/分、脈拍108/分、血圧200/120mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SPO2>96%であった。

 

問題1.救命救急センター到着時に観察する項目で最も優先するのはどれか。

 1.体温

 2.心電図波形

 3.意識レベル

 4.尿失禁の有無

 

 

 

問題2.頭部CTの結果、高血圧性脳出血と診断され、集中治療室に入室した。入室時にはジャパン・コーマ・スケール<JCS>Ⅱ-30。体温37.0℃、呼吸数16/分、脈拍82/分、血圧154/110mmHg。入室から8時間後、体温37.2℃、呼吸数18/分、脈拍50/分、血圧208/106mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SPO2>97%になり、呼びかけと痛み刺激に開眼しなくなった。

このときAさんの状態はどれか。

 1.低酸素脳症

 2.脳圧亢進症状

 3.髄膜刺激症状

 4.正常圧水頭症

 

 

 

問題3.入院から4週が経過し、病状が安定して意識が回復した。Aさんは後遺症として運動性失語が残り、言葉がうまく発せられないため涙ぐむことがあった。妻は面会後「夫が話す言葉が分からず、どう接すればよいか分からない」と言って戸惑っていた。

妻に対する対応で最も適切なのはどれか。

 1.「いつもどおり話をしてあげてください」

 2.「看護師も同席してAさんとお話ししましょう」

 3.「リハビリテーションで話せるようになりますよ」

 4.「分かりやすい言葉で話しかけてあげてください」

 

 

 

●次の文章を読み問題1~3に答えよ。

 

62歳の男性。妻との2人暮らし。55歳から高血圧で内服治療中。朝の散歩を日課としていたが、2日前から歩行時に右下肢がもつれる感じがあった。今朝の散歩時、立位がとれない状態になったため、妻に伴われて救急外来を受診した。頭部CTで左硬膜下血腫が脳実質を圧迫しており、緊急手術目的で入院した。入院時、意識は清明。体温36.7℃。呼吸数16/分。脈拍66/分。血圧140/70mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度<SPO2>97%。瞳孔両側2mm、対光反射は正常。頭痛と嘔吐はなく、全身状態も安定していた。

 

問題1.手術開始が2時間後と決まった。意識状態に変化はない。

手術が開始されるまでに最も出現しやすい症状はどれか。

 1.頭痛

 2.頻脈

 3.体温上昇

 4.左下肢のしびれ

 

 

 

問題2.医師から手術が必要と説明を受けた妻は「右足がもつれただけで、緊急手術になると聞いて頭が真っ白になり、医師からの説明も何も聞こえませんでした」と看護師に話す。

妻への説明で最も適切なのはどれか。

 1.「命にかかわらない右足のことは今は考えないでください」

 2.「手術は2時間後の予定ですから落ち着いてください」

 3.「手術をすれば状態が改善する可能性があります」

 4.「奥さんが動揺してはいけません」

 

 

 

問題3.左穿頭血腫洗浄ドレナージ術が施行され帰棟した。術直後の観察では、意識は刺激しなくても覚醒しているが、いまひとつはっきりしない状態である。頭痛と嘔吐はない。体温36.7℃。呼吸数20/分。脈拍82/分。血圧190/90mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度<SPO2>99%。硬膜下ドレーンから少量の排液がみられる。

術直後のアセスメントで正しいのはどれか。

 1.血圧を下げる必要がある。

 2.意識レベルはJCSⅡ-10である。

 3.ベッドの30度挙上が必要である。

 4.頭蓋内圧亢進症状が出現している。

 

 

 

●次の文章を読み問題1~3に答えよ。

 

Aさん(52歳、女性)。自宅で突然激しい頭痛と悪心が出現し、自力で救急車を要請し、搬送された。ジャパン・コーマ・スケール<JCS>Ⅰ-2で頭痛を訴えており、発汗著明であった。瞳孔径は両側3.0mm。上下肢の麻痺はない。Aさんは頭部CTでくも膜下出血と診断され、ICUに入室した。入室時のバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧156/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SPO2>95%であった。

 

問題1.ICU入室から24時間以内に注意すべきAさんの症状や徴候はどれか。

 1.Kussmaul<クスマウル>呼吸

 2.膝蓋腱反射の低下

 3.企図振戦

 4.瞳孔散大

 

 

 

問題2.Aさんは脳血管造影で右中大脳動脈に動脈瘤が確認され、脳血管内治療(コイル塞栓術)が実施された。その後、Aさんは意識清明で問題なく経過していたが、手術後6日から刺激に対する反応が鈍くなり、閉眼していることが多くなった。意識レベルはジャパン・コーマ・スケール<JCS>Ⅱ-10。左上肢はBarre<バレー>徴候陽性を示した。

Aさんに生じていることとして最も考えられるのはどれか。

 1.けいれん発作

 2.脳血管攣縮

 3.せん妄

 4.再出血

 5.水頭症

 

 

 

問題3.手術後14日、頭部CTで右大脳半球に小範囲の脳梗塞が認められた。Aさんは、左上肢の挙上はできるが維持が困難であり、左膝の屈曲はできるが左下肢の挙上は困難である。意識は清明であるが、Aさんは左片麻痺があるため動こうとしない。

Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。

 1.日常生活動作<ADL>の自立度をアセスメントする。

 2.歩行訓練のときは杖の使用を勧める。

 3.左上肢の筋力増強運動を指導する。

 4.車椅子への移乗は全介助で行う。

 

 

 

●次の文章を読み問題1~3に答えよ。

 

Aさん(65歳、男性、会社員)は、午後2時、会議の最中に急に発語しづらくなり、右上下肢に力が入らなくなったため、同僚に連れられて救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。来院時、ジャパン・コーマ・スケール<JCS>Ⅰ-3、瞳孔径は両側2.0mm。呼吸数18/分、脈拍60~80/分、不整で、血圧176/100mmHg。右上下肢に麻痺がある。午後4時、Aさんの頭部CTの所見で特に異常は認められなかったが、MRIの所見では左側頭葉に虚血性の病変が認められた。

 

問題1.この後の治療でまず検討されるのはどれか。

 1.血流の再開

 2.脳浮腫の予防

 3.出血性素因の除去

 4.脳血管攣縮の治療

 

 

 

問題2.Aさんは心原性の脳梗塞と診断され、入院後に治療が開始された。入院後5日、意識レベルがジャパン・コーマ・スケール<JCS>Ⅱ-30まで低下した。頭部CTで出血性梗塞と脳浮腫とが認められ、気管内挿管・人工呼吸器管理を行い、マンニトールを投与してしばらく経過をみることになった。

この時点の看護で適切なのはどれか。2つ選べ。

 1.電気毛布で保温する。

 2.瞳孔不同の有無を観察する。

 3.水分出納を正のバランスに管理する。

 4.Cushing<クッシング>現象に注意する。

 5.ベッドを水平位にして安静を維持する。

 

 

 

問題3.減圧開頭術後2週。気管内チューブは抜菅され、意識レベルはジャパン・コーマ・スケール<JCS>Ⅱ-10である。右上下肢の麻痺と運動性失語とが認められ、発語は少ない。利き手は右手である。

Aさんとのコミュニケーションの方法で最も適切なのはどれか。

 1.筆談を促す。

 2.文字盤を用いる。

 3.大きな声で話す。

 4.イラストを用いる。

 

 

 

●次の文章を読み問題1~3に答えよ。

 

Aさん(52歳、男性)、自営業。既往歴に特記すべきことはない。屋根を補修するためにはしごを登っていたところ、足を滑らせて転倒し、頭部を打撲した。救急車で病院に搬送され、頭部CTで、右前頭葉と側頭葉の脳挫傷と右側頭葉の脳内血腫を認めた。

 

問題1.入院時、Aさんは痛み刺激に対しても開眼することはなく、払いのけるような動作をするのみで、左上下肢の動きが右上下肢に比べて弱かった。

ジャパン・コーマ・スケール<JCS>による評価はどれか。

 1.Ⅱ-20

 2.Ⅱ-30

 3.Ⅲ-100

 4.Ⅲ-200

 5.Ⅲ-300

 

 

 

問題2.緊急で開頭血腫除去術が行われ、硬膜外にドレーンが挿入された。術後はICUに入室した。ICU入室6時間後のAさんの状態は、血圧138/76mmHg、脈拍82/分、体温37.4℃。呼びかけに対して容易に開眼し、簡単な指示に応じることができるようになった。しかし、その後2時間で意識レベルが術前のレベルまで進行性に低下した。血圧156/68mmHg、脈拍67/分、体温37.8℃、経皮的動脈血酸素飽和度<SPO2>96%(酸素吸入3L/分)。

この状態から考えられるAさんの病態として適切なのはどれか。

 1.術後感染

 2.脳血管攣縮

 3.低酸素血症

 4.術後頭蓋内出血

 

 

 

問題3.このときのAさんへの看護で適切なのはどれか。

 1.後頭部を氷枕で冷やす。

 2.上半身を30度程度挙上する。

 3.左上下肢の関節屈曲運動を行う。

 4.右上肢を抑制して硬膜外ドレーン抜去を予防する。

 

 

 

●Aさん(50歳、女性、会社員)は、職場で激しい頭痛を訴えて倒れ、意識を失って、救急搬送された。救命救急センター到着時のバイタルサインは、体温36.7℃、呼吸数20/分、脈拍88/分、血圧168/88mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>98%(room air)であった。閉眼していたので、大声で話しかけると開眼したが、すぐに閉眼して眠り込んでしまう。

 

Aさんの意識レベルは、ジャパン・コーマ・スケール<JCS>で評価するとどれか。

 1.Ⅱー10

 2.Ⅱー20

 3.Ⅲー100

 4.Ⅲー200

  

 

 

●次の文章を読み問題1~2に答えよ。

 

Aさん(53歳、女性)は、休日に公園を散歩中、階段から落ちて頭部を強打し、意識を消失した状態で病院に救急搬送された。

病院到着時のAさんは開眼せず、声は発しているが理解不能である。

痛み刺激には逃れようとする動作がみられる。

 

問題1.グラスゴー・コーマ・スケール<GCS>によるAさんの意識レベルの評価はどれか。

 1.E1V1M2

 2.E1V2M4

 3.E2V2M2

 4.E4V5M5

 

 

 

問題2.Aさんは右側の急性硬膜外血腫と診断され、緊急開頭手術を受けることになった。術前のバイタルサインは、体温37.2℃、呼吸数14/分、脈拍74/分、整。血圧は、搬送時の134/84mmHgから174/66mmHgに上昇し、痛み刺激に対する反応が消失している。

このときのAさんの瞳孔の状態はどれか。

 

 1.1

 2.2

 3.3

 4.4

 

 

 

●次の文章を読み問題1~3に答えよ。

 

Aさん(58歳、男性、会社員)は、妻(55歳)と2人暮らし。5年前から高血圧症、脂質異常症を指摘され、降圧薬を内服していた。

自宅で左半身に脱力感が出現し、救急車で搬送された。救急外来でCT及びMRI検査を行った結果、右中大脳動脈領域に脳梗塞の所見が認められた。入院時は、グラスゴー・コーマ・スケール<GCS>E3V4M5、体温36.8℃、呼吸数16/分、脈拍66/分(不整)、血圧160/85mmHg、HbA1c5.8%、心電図では、RR間隔は不定で心拍数100/分であった。入院後、血栓溶解療法を受け、2日後からリハビリテーションが開始された。

1週後には回復期リハビリテーション病棟へ転棟した。

 

問題1.Aさんの脳梗塞の原因で考えられるのはどれか。2つ選べ。

 1.糖尿病

 2.胃潰瘍

 3.高血圧症

 4.心房細動

 5.心房粗動

 

 

 

問題2.入院から3週が経過し、リハビリテーションによって日常生活動作<ADL>は改善しているが、夜間は眠れず、食欲も低下している。Aさんは「なかなか良くならない。何もできなくなってしまった」と話している。

現在のAさんへの声かけで、最も適切なのはどれか。

 1.「時間が経てば良くなりますよ」

 2.「リハビリをがんばりましょう」

 3.「同じ病気の患者さんを紹介しますね」

 4.「なかなか良くならないと感じているのですね」

 

 

 

問題3.転棟から6週が経過し、退院に向けて多職種チームでカンファレンスを開催することになった。Aさんは、外来でのリハビリテーションを継続しながら元の職場への復帰を希望している。

Aさんの退院前のカンファレンスで適切なのはどれか。

 1.チームリーダーの職種は医師である。

 2.カンファレンスにAさんの妻の参加は不要である。

 3.Aさんのリハビリテーションの目標は医師が決定する。

 4.Aさんのリハビリテーションの内容はチームで評価する。

 

 

 

3.様々な神経

●交感神経の作用はどれか。2つ選べ。

 1.散瞳

 2.精神性発汗

 3.腸蠕動の促進

 4.排尿筋の収縮

 5.グリコーゲン合成の促進

 

 

 

●交感神経系の緊張で弛緩するのはどれか。

 1.立毛筋

 2.瞳孔散大筋

 3.膀胱括約筋

 4.気管支平滑筋

 

 

 

●副交感神経の作用はどれか。2つ選べ。

 1.発汗

 2.縮瞳

 3.尿量減少

 4.心拍数減少

 5.消化管運動抑制

 

 

 

●副交感神経の作用はどれか。2つ選べ。

 1.瞳孔の収縮

 2.発汗の促進

 3.気管支の拡張

 4.唾液分泌の亢進

 5.消化管運動の抑制

 

 

 

●副交感神経の作用はどれか。2つ選べ。

 1.瞳孔の散大

 2.発汗の促進

 3.心拍数の低下

 4.気管支の拡張

 5.消化液の分泌亢進

 

 

 

●副交感神経を含む脳神経はどれか。2つ選べ。

 1.動眼神経

 2.三叉神経

 3.内耳神経

 4.迷走神経

 5.舌下神経

 

 

 

●副交感神経を含む脳神経はどれか。2つ選べ。

 1.嗅神経

 2.視神経

 3.動眼神経

 4.三叉神経

 5.迷走神経

 

 

 

●閉眼に関与する神経はどれか。

 1.動眼神経

 2.滑車神経

 3.三叉神経

 4.外転神経

 5.顔面神経

 

 

 

●眼球運動を行う神経はどれか。

 1.視神経

 2.外転神経

 3.顔面神経

 4.三叉神経

 

 

 

●咀嚼運動に関わる脳神経はどれか。

 1.嗅神経

 2.滑車神経

 3.三叉神経

 4.動眼神経

 5.内耳神経

 

 

 

●片側性の末梢性顔面神経麻痺の症状はどれか。2つ選べ。

 1.眼瞼が下垂する。

 2.顔面の知覚が鈍い。

 3.口角が垂れ下がる。

 4.物が二重に見える。

 5.額にできるしわに左右差がある。

  

 

 

●声帯の運動や緊張度を調節する神経を分枝するのはどれか。

 1.三叉神経

 2.顔面神経

 3.舌咽神経

 4.迷走神経

 5.舌下神経

 

 

 

●三叉神経を求心路として起こるのはどれか。

 1.瞬目反射

 2.対光反射

 3.追跡運動

 4.輻輳反射

 

 

 

●脳神経とその障害による症状との組み合わせで正しいのはどれか。

 1.視神経ー複視

 2.舌下神経ー舌の偏位

 3.動眼神経ー眼球の外転不能

 4.三叉神経ー額のしわ寄せ不能

 

 

 

●脳神経とその機能の組み合わせで正しいのはどれか。

 1.顔面神経ー顔の感覚

 2.舌下神経ー舌の運動

 3.動眼神経ー眼球の外転

 4.三叉神経ー額のしわ寄せ

 

 

 

●末梢神経とその作用の組合せで正しいのはどれか。

 1.橈骨神経ー母指の屈曲

 2.尺骨神経ー手関節の背屈

 3.坐骨神経ー大腿の伸展

 4.腓骨神経ー足の背屈

 

 

 

●運動神経の神経伝達物質はどれか。

 1.ドパミン

 2.ヒスタミン

 3.セロトニン

 4.アドレナリン

 5.アセチルコリン

 

 

 

●アセチルコリンで収縮するのはどれか。2つ選べ。

 1.心筋

 2.排尿筋

 3.腓腹筋

 4.立毛筋

 5.瞳孔散大筋

 

 

 

●骨格筋の細胞膜には(  )に対する受容体がある。自己抗体がこの受容体の働きを阻害すると骨格筋は収縮できなくなる。

(  )に入る神経伝達物質として正しいのはどれか。

 1.アセチルコリン

 2.アドレナリン

 3.ドパミン

 4.ノルアドレナリン

 

 

 

●神経筋接合部にあるイオンチャネル型受容体にアセチルコリンが結合すると、あるイオンが筋細胞内に流入する。このイオンはどれか。

 1.塩化物イオン

 2.カリウムイオン

 3.カルシウムイオン

 4.ナトリウムイオン

 

 

 

●筋と支配神経の組合せで正しいのはどれか。

 1.僧帽筋ー横隔神経

 2.上腕三頭筋ー橈骨神経

 3.横隔膜ー肋間神経

 4.腓腹筋ー坐骨神経

 

 

 

●麻痺すると猿手を生じるのはどれか。

 1.総腓骨神経

 2.橈骨神経

 3.尺骨神経

 4.正中神経

 

 

 

●手の写真を示す。

写真の斜線部分で、正中神経の圧迫によって知覚異常を生じる部位を示しているのはどれか。

 

 1.A

 2.B

 3.C

 4.D

 

 

 

●下垂手の原因はどれか。

 1.尺骨神経麻痺

 2.正中神経麻痺

 3.橈骨神経麻痺

 4.腓骨神経麻痺

 

 

 

●Aさん(60歳、男性)は、転倒して第5頸椎レベルの脊髄を損傷した。肩を上げることはできるが、上肢はわずかに指先を動かせる程度である。呼吸数22/分、脈拍86/分、血圧100/70mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SPO2>97%であった。Aさんは「息がしづらい」と言っている。

Aさんの状態で適切なのはどれか。2つ選べ。

 1.低酸素血症がある。

 2.胸郭運動がみられる。

 3.無気肺を起こしやすい。

 4.腹式呼吸を行っている。

 5.閉塞性換気障害を起こしている。

 

 

 

●交通事故によって脊髄損傷で入院した下肢に麻痺のある成人患者。

職場復帰に向けて、看護師が患者に説明する内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

 1.自己導尿は自宅で行う。

 2.仕事中は飲水を制限する。

 3.車椅子には体圧分散マットを使用する。

 4.残業する場合の休憩時間は不要である。

 5.職場の担当者に自分の病気について伝える。

 

 

 

4.その他疾患等

●上位運動ニューロン徴候および下位運動ニューロン徴候の有無について表に示す。

筋委縮性側索硬化症<ALS>において正しいのはどれか。

 1.a

 2.b

 3.c

 4.d

 

 

 

●運動神経の刺激の伝達経路を図に示す。

Guillain-Barre<ギラン・バレー>症候群で主に障害される部位はどれか。

 1.ア

 2.イ

 3.ウ

 4.エ

 

 

 

●Guillain-Barre<ギラン・バレー>症候群で正しいのはどれか。

 1.若年者に多い。

 2.遺伝性疾患である。

 3.骨格筋に病因がある。

 4.症状に日内変動がある。

 5.抗ガングリオシド抗体が出現する。

 

 

 

●重症筋無力症に合併する頻度が最も高いのはどれか。

 1.胸腺腫

 2.胸膜中皮腫

 3.甲状腺腫瘍

 4.悪性リンパ腫

 

 

 

●多発性硬化症で正しいのはどれか。2つ選べ。

 1.脱髄病変が多発する。

 2.髄液中のIgGは低下する。

 3.視力低下は網脈絡膜炎による。

 4.MRIは病変の検出に有用である。

 5.末梢神経が障害されることが多い。